墨ができるまで
採煙
手焚油煙とは素焼の皿に植物油を入れ、灯芯を燃やして素焼の蓋に付いた“煤”(すす)を採取する。油は主に菜種油が使われます。
膠の溶解
原料の膠を二重釜に入れ長時間煮て液体にする。膠は動物の皮からとったコラーゲンを含むたんぱく質の一種(ゼラチン)です。
混和
すすと膠の溶液を混和機に入れ練り合わせる。墨の良否を決定する重要な作業で、よく練るほど延びのよい書き易い墨ができます。
型入れ1
練り上がった墨の玉をもみ板の上に広げ、手足を使っても見込みます。その際、膠の臭いを隠すために香料を入れ、良く揉み込みます。その後、木型の大きさに合わせて墨の玉を小取りにし、目方(重さ)を測ります。手でよく揉み木型に入れ成型します。
型入れ2
型入れの際は、空気の入らないようによく揉み込むことが大切です。型入れ後、プレスに掛け30分前後して型出しします。取り出した墨は、まだ柔らかく、水分が多いためすぐに生箱に入れ乾燥を防ぎます。そして乾燥室へ…。
乾燥
練り上がった墨の玉をもみ板の上に広げ、手足を使っても見込みます。その際、膠の臭いを隠すために香料を入れ、良く揉み込みます。その後、木型の大きさに合わせて墨の玉を小取りにし、目方(重さ)を測ります。手でよく揉み木型に入れ成型します。
洗い
乾燥の終わった墨は表面に付いている灰やほこりを冷水ですばやく洗い落とした後、すぐに表面の水分を布で拭い取ります。その後、再度乾燥させます。
研ぎ
乾燥後、墨を炭火であぶり表面を少し柔らかくして、ハマグリの貝殻で磨きあげます。これを"研ぎ仕上げ"といいます。
紅花墨が代表的な墨です。一般的な墨は磨きません。"塗り"といって薄い膠液を塗ります。"生地仕上げ"といいます。
彩色
金銀粉をアラビヤ糊で練り、多い目の水で薄め、金属のアクを除いた後絵の具として使用します。金銀以外に朱や紺、緑、白といった絵具も使います。
確認
最終商品として欠けや塗り残し、塗りむらがないかを確認します。
完成
彩色の済んだ墨は最終的な検品を行い、良品のみを紙箱や桐箱にいれ完成品となります。