福西和紙本舗とは
福西和紙本舗は周囲を山に囲まれた奈良・吉野・国栖の小高い南向きの斜面に建っている。目の前には穏やかに流れる吉野川の清流が眼下に広がり、工房からは水に反射した光がきらきらと目に飛び込む。平地の少ない山間の集落の真ん中には国道が走り、道に沿って家が立ち並ぶ。そんな国道からしばらく上がった所に、伝統ある吉野の手漉き和紙を今日に伝える福西和紙本舗の工房兼自宅が建っている。正に紙漉きの里としてふさわしいロケーションだ。
福西家は代々和紙職人の家系で、息子・正行は六代目で、父・弘行の後継者である。父・弘行は「宇陀紙保存技術保持者」にも認定された職人である。伝統ある吉野の手漉き和紙として、全国手漉き和紙業界からも注目を浴びている。正行は父・弘行の紙漉きを幼少の頃から見て育った。自分自身も芸術大学で総合芸術を学び、新たな和紙の可能性に挑戦している。
そもそも福西家の和紙は独特の風合いと耐久性を兼ね備えた高級和紙である。昔ながらの技法を怠ることなく、美しい山谷の水の恩恵を頂いて、 吉野の地で育んだ楮(こうぞ)を使用して丹念に漉き上げた和紙は、様々な分野で重宝されている。
「和紙には、一枚一枚表情があり、個性がある」と父・弘行は言う。また、「吉野の自然や地形、そして水や土を知り尽くした職人だけが吉野の手漉き和紙を漉くことが許される。吉野の和紙には歴史や風土、また和紙職人の魂が漉き込まれている」とも言う。千数百年の歴史を持つ吉野手漉き和紙の伝統を今日に受け継ぐ、福西和紙本舗は伝統的な手法で火と水と土と風と太陽と、そして人間の勘を頼りに、一片の曇りもない高級和紙を漉くために全ての工程が昔ながらの手作業で現在も続けられている。
「奈良物語」ではこの福西和紙本舗の高級吉野和紙をWEBで初めて扱わせて頂くことになった。黒皮入り和紙・生漉き和紙・草木染和紙・杉皮紙・うすじま紙などの素材を、書道用紙・障子紙・壁紙・アート紙・裏打ち紙など、目的と用途で1枚からお求めいただけます。
初代創業江戸時代末期より現在弘行五代目継ぐ。 | |
昭和18年 春 | 国栖尋常高等学校卒業後、両親の紙仕事の手伝いに入る。 |
昭和20年 | 現在の大漉道具に切り替えて紙漉きの技法を教わる。 |
昭和23年 | 祖父、父の指導を受けて草木染和紙及び杉皮紙を作る。 |
昭和37年 4月 | 義宮殿下、紙漉き見学御成り |
昭和53年 5月 | 選定保存技術保持者に認定なる。 |
昭和56年 | 町内各小学校に於いて卒業証書作りの指導を行う。 |
昭和56年 | 奈良薬師寺亡高田管長様より和紙拝命受け以後、納品させて頂く。 |
昭和57年 | 奈良東大寺亡清水公照管長様御用達賜り納品する。 |
昭和60年 6月 | 奈良県手漉和紙商工業協同組合理事長 |
昭和61年 10月 | 全国手漉和紙連合会副会長 |
平成元年 | 全国手漉和紙連合会常任理事 |
平成7年 | 宮内庁書陵部より修復用の和紙御用達賜り、その後、年代に応じた和紙を作成の上納めている。 |
平成7年 5月 | 奈良県商工会連合会長表彰 |
平成8年 5月 | 奈良県より伝統工芸品産業功労表彰 |
平成8年 6月 | 奈良県より伝統工芸士任命 |
平成8年 10月 | 財団法人印刷局朝陽会より表彰 |
平成9年 1月 | 全国商工会連合会長表彰 |
平成10年 11月 | 中小企業庁長官表彰 |
平成12年 4月 | 勲5等瑞宝章授章 |
平成17年 | 奈良唐招提寺の特別な方々にお渡しする、うちわまきのうちわ草木染和紙五種類を納めている。 |
平成19年 | 文化庁長官表彰 |
平成20年 | 園遊会に招かれ天皇皇后両陛下からお言葉を頂戴する。 |
平成26年 8月 | 逝去 |
昭和59年 3月 | 大阪芸術大学芸術学部芸術計画学科卒業 卒業制作グランプリ受賞 |
昭和59年 春 | 卒業後、両親の紙仕事の手伝いに入る。 |
昭和59年 6月 | 全国手漉き和紙連合会青年部入会 |
昭和59年7月 | 吉野町商工会青年部入会 |
平成3年 4月 | 奈良県工芸協会青年部入会 |
以後、毎年近鉄百貨店本店美術画廊で工芸展に出品する。 | |
平成7年 | 町内各小学校に於いて卒業証書作りの指導を行う。 |
平成7年 | 宮内庁書陵部より修復用の和紙御用達賜り、その後、年代に応じた和紙を作成の上納めている。 |
平成10年 | (株)三角屋と共同でイタリアミラノのショップの壁紙制作 |
平成13年 | 同じくフランス パリのショップの壁紙制作 |
平成13年 | 吉野町商工会青年部部長 |
平成13年 | 千葉・我孫子めばえ幼稚園の卒園証書制作 |
平成14年 6月 | アメリカ・ワシントンのスミソニアン博物館において、シルクロード地方の手仕事文化を披露する特別展に於いて日本を代表して2週間実演この展示会はアメリカ政府がバックアップし、政府代表としてライス元国務長官がサポートし、イベントのプロデューサーとしては世界的チェロリストのヨーヨーマが務め、交流を深めた。 |
平成15年 | 吉野町立国栖小学校PTA会長 |
平成17年 | 吉野町立吉野中学校体育文化後援会会長 |
平成17年 | 奈良唐招提寺の特別な方々にお渡しする、うちわまきのうちわ草木染和紙五種類を納めている。 |
平成18年 | 世界顕微鏡学会の表彰状を制作する。 |
平成18年 | 吉野中学校PTA会長 |
平成18年 | 吉野町連合PTA会長 |
平成18年 | 奈良県PTA連合会進路対策委員長 |